眠らせ森の恋

 そう言い、微笑むと、

 ……そうか、と笑った奏汰は、
「別に急いで妊娠しなくていいんだからな。
 なんだか、お前ともう少し、二人でこうしていたいような気もしているし。

 ただ、妊娠して酒が呑めないのは可哀想だなとか。

 つわりって大変そうだなと思ったから、いつか訪れるかもしれないそのときのために、お前に出来る限りのことをしてやりたかっただけだ」
と言ってくる。

「あ、ありがとうございます」
と恐縮しながらも、ひとつ、気になったのは――。

「妊娠したときのためにって、真っ先にノンアルコールカクテルを研究されたのは何故ですか?

 まるで私が酒呑みみたいではないですか」

「……いや、お前、自覚はないかもしれないが、相当な呑んべえだぞ」
とコタツにどっぷりつかった奏汰は横目に見ながら言ってくる。