眠らせ森の恋

「……あったかいな」
と当たり前のことを感心したように呟いている。

「あったかいぞ、これはっ!
 コタツがあったら、他の暖房器具はいらないじゃないかっ」

 いや、いらないってこともないと思いますけどねー。

「相当あったかいですよねー、足許があったまると」

 冬になると、背中、腰、靴の中にホッカイロを仕込んでいるつぐみは、そう言いながら、頷いた。

 甘いカクテルにお酒は入っていないはずなのに、やっぱり何処かお酒っぽい感じがあって、ほんのり頬が赤くなる。

 ……いや、コタツでぬくもったせいかもしれないが。

「奏汰さん」
とつぐみは金粉が夜空のように舞うグラスを手に呼びかけた。

「先ほど、私の冬の過ごし方に合わせてくださるとおっしゃってましたが、
 今までとは私も違います。

 奏汰さんと居るだけで、なんだか私、温まります」