眠らせ森の恋

 すると、そこに奏汰が金粉を降りそそいだ。

 わあ、と思わず、つぐみは声を上げる。

 星空のように細かな金粉が青いカクテルに舞ったからだ。

「おっと、喜ぶなよ。
 ノンアルコールだ」

 えっ、とつぐみは顔を上げた。

「お前がいつ妊娠してもいいように、ノンアルカクテルの研究をしてたんだ。

 お前が物足らないと感じないようなのにしようと思ってな」

「綺麗ですっ。
 飲むのがもったいないくらいっ」
とつぐみがグラスを天井からの灯りにかざして言うと、

「コタツも俺は入りたくはなかったんだが。

 妊婦になったら、冷やさない方がいいだろ。
 だから、まあ、あってもいいかと思ったんだ」
と奏汰は言ってくる。

 そ、そうだったのですか。

 コタツになにかあるのかと思ってしまいましたよ。

 意味深に呟くから……と思っていると、奏汰は、おっかなびっくりコタツ布団をめくり、そっとコタツに入ってきた。