コタツに入ると言ったくせに、奏汰はコタツには入らずに、キッチンでなにかしていた。
ご飯を並べなければならないのに、コタツをつけてみたので、此処はひとつ、入ってみましょう、とつぐみはコタツに脚を突っ込んだ。
ああ……
寒さに固まっていた血が喜んで流れて行く感じがする。
ビリビリするくらい温かい。
もう、出られません。
やはり、これは危険な代物でした。
人を怠惰にしてしまう、こんな危険なものを我が家に持ち込んですみませんでした、奏汰さん、と思いながらも、つぐみがコタツから出られないでいると、
「ほら」
と奏汰がつぐみの前にグラスを置いた。
逆三角形のカクテルグラスに、濃いブルーハワイのようなものが入っている。
奏汰にしては珍しく飾りもなしだ。



