眠らせ森の恋

 そして、気づく。

 そうか。

 俺は、王子じゃなくて、オオカミだったのか。

 あいつも姫じゃなくて、魔女だしな。

 オオカミを眠らせようとする眠らせの森の魔女。

 そうっとその歌に導かれるように近づくと、可愛い魔女つぐみは、しゃがんで、自分に手を差し出した。

 実はオオカミだった自分の首に手を回し、そっと抱き締めてくれる。

 ……ま、オオカミでいいか。

 お前が俺を愛してくれるのなら――。

 そう思って、目を覚ました。