眠らせ森の恋

 少し酔っているつぐみは、子どもを寝かしつけるように、ぽんぽんと背中を叩きながら、歌い出した。

「何故、賛美歌を歌うっ」
「私、幼稚園からキリスト教の学校ですから」

 阿呆か、と思いながらも、やさしく歌っているその姿はマリア様みたいだな、とガラにもなく思ってしまった。

「……つぐみ?

 つぐみ……」

 いつの間にか、つぐみの額が腕に当たっていた。

 寄りかかるような体勢になっていて、どきりとするが。

「……って、またお前が寝るのかっ」

 仕方ないな、と抱き上げる。

 いつまでこんな状態が続くんだろうな、と思いながら。