ダイニングテーブルを見ると、どうかと思うご馳走が並んでいた。
「何処の国の宮廷料理だ……」
と奏汰は呟く。
迷走しているぞ、つぐみ……。
「フランスです」
とつぐみは言う。
「手づかみで食事をしていたフランスに、イタリア、メディチ家から来た王妃カトリーヌがお抱えの料理人を連れてきたあとの洗練された宮廷料理です」
なるほど。
フォアグラ、キャビア、豚の足などを使った豪華な料理が並んでいる。
「……すみません。明日はお茶漬けにします」
「極端に走るな」
「二千四百万は使ってませんから」
と言うつぐみに、当たり前だ、と言う。



