晴瑠「美鈴ー、お昼行こー。」

『うんっ!……てあれ?いちごみるく買い忘れたぁぁぁっ!!』

晴瑠「えー?私も持ってないよ?」

う…、ですよねー……。


『今からダッシュで買ってくる!
屋上行ってて!!』


晴瑠「えっ、はーい!気をつけて!」

晴瑠の静止の声、聞いてたら良かったんだよねぇ。


バタバタバタバタッ!


『はぁっ…はぁっ、あったぁぁっ!』


もう見慣れ始めた自動販売機。
案の定誰も居なかった。


『いっちごみるくーっ♪』

そんな掛け声と共にいちごみるくを押すと


出てくるはずのいちごみるくが出てこなかった。


『えっ……!』

も、も、もしかして……。
よく見てみると、いちごミルクは売り切れと表示されていた。


『な、無いっ!』

最悪……。


うーーーっ。
泣きそうになりながら元来た道を戻り出す。


もう…、今日ほんとについてないなぁ。

私のいちごみるくちゃん…っ



よし、かずに当たってろう。
そう決めた私は屋上へ向かって走り出した。






『うわぁっ?!?!』


貴方と出会った、瞬間だった。


?「った……。」


『ご、ごめんなさいっ…。』

角を曲がると、誰かにぶつかった。
……ほんっとに今日はついてない!

?「…いや、いいよ。
大丈夫?」

『だ、大丈夫で………っ!』

ぶつかった人を見ると、私は息をのんだ。


学校の王子様?!?!
うわぁ……。

『ご、ごめんなさいっ!』

?「そんなに謝らなくていい。
ほら、手貸して。」

『だ、大丈夫ですっ。』

おこがましいと思いながら王子様の右手を見ると、まさか、まさかのいちごみるくちゃんが輝くように光っていた。


『いちごみるくちゃん……っ。』


やばい……っ
いちごみるくが欲しすぎるあまり、声に出してしまった。

恐る恐る王子様の顔を見ると、ちょっと驚いてる。


……う…、やばい。

『な、な、なんでもないですっ』

?「君、いちごみるく毎日買ってる子だよね。」

『へ?!あ、は、はいっ。』

え、なんで知ってるの?!

?「俺もいちごみるく好きだから、よくここに買いに来てるんだよ、ストーカーとかじゃないから勘違いしないでね。」


そ、そんな私みたいなのを王子様がストーカーなさるなんて思ってはないけど…。

いちごみるくっ、好きなんだ!

『いちごみるく好きなんですか?!
私も大好きです!美味しいですよね…っ!』


?「売り切れだったからそんなに落ち込んでるの?…だったら、はい。あげる。」


『えっ?!?!』

私の手に掴まされたのは願ってもみなかったいちごみるく。

い、いちごみるくがっ……!

『で、でもっ』

?「いいよ、誰かにもらえばいいから」


『あ、あ、ありがとうございますっ!』


か、感激すぎる……!!!

?「クスッ、いいえ。
じゃあね。」


ドクンッ


王子様のくしゃっとした笑顔がカッコよくて、私は、一瞬で恋に落ちた。