『ちょ、ちょっとかず!』

一希「うるせぇ。
何?俺が居ねぇ間に何があったわけ。
しっかりと、隅々まで、何もかも包み隠さず話せ。

晴瑠、お前の止めは聞かねぇからな。」

あ、明らかに怒ってらっしゃいます…

私達3人だけしか居ない教室ではかずの怒っている様子がヒシヒシと伝わってくる。


『そ、その……それがですね……で……で今に至る……と。』


最後まで言い終えた時の不機嫌オーラと言うと朝入ってきた男子がコケるぐらいだったわ。
あー、殺気だね。


晴瑠「わ、私はちょっと用事があるから~……」


って晴瑠はどっかいっちゃうし。


かず「……はぁ……。
美鈴、あいつだけはやめとけ。」



……なんで。?

かず「……なんでって顔されても……
あいつは冷徹で、お前の心なんか受け止めてくれねぇだろ。」

『と、友達ぐらいには……なれるかもしれないじゃん。』

かず「お前が友達だけで満足するとは思えねぇな。あいつがお前を相手にすると思うか?たかが数ある女の1人だろ
早いとこ引け。」



そんなこと……言わなくてもいいじゃん。


分かってるのに……!!

『ちゃんと分かってる……っ!!!
なんで応援してくれないの?
かずはいつも私の事応援してくれたのにっ、なんで今回だけはダメなの!!』


ハッ

言った時には、もう遅かった。

かずの傷ついた顔が、私の目に映った。

『ご、ごめっ……』

かず「……ごめん。
ちょっと俺風当たってくるわ、風邪治ったばっかだからかちょっと熱っぽいかも。気にすんなよ。」

『……うん。』




傷つけちゃったよねぇ……アレ。
絶対、完璧言っちゃいけない事言ったな、私。

『あーーーっ……!!!やっぱいい事の後には悪い事が来るのかぁー……。』

……授業、受ける気になれないなぁ…。

……あ、そうだ、麻生くんが言ってた理科準備室なら……誰もいないよね。

麻生くん、居ないといいなぁ…。