顔の火照りもなくなってきたところで戻ると、麻生くんが女の子達に囲まれていた。

……かっこいいもん、仕方ないよね。

麻生「あ、春川さん!」

突っ立っている私を見つけて麻生くんが手を振ってくれる。
女の子たちからの睨みは凄いけど、ごめんなさい、幸せです……!



麻生「じゃあ、行こっか。」

麻生くんがそう言ってお店を出ていこうとするけど……ちょっと待って?


『麻生くん、お会計!』

麻生「あぁ……もう終わってるよ。
大丈夫だよ、春川さんの分も払ったから。」

は、は、払った……?!

『え、ちょっと待って、いくらでしたか?!わ、悪いですっ』

慌てている私を不思議なものを見るような目で見る麻生くん。
え、何、これが普通?!
イケメンの麻生くんはこれが普通なの?!

麻生「……だって、お返しでしょ?
いちごみるくのお礼。」


……え、あの、百円ちょっとの?!

『で、でも、いくらなんでも倍すぎて……っ、素敵なお店に連れてきてくれただけで満足なのに……』

麻生「気にしないで。
俺のに付き合っただけだと思ってくれたらいいから。」

『で、でも……』

麻生「……じゃあ、春川さん、今度もこういうお店、一緒に着いてきてね。
これでいいでしょ?」

麻生くんが呆れたように私の願ってもみないことを言ってきてくれる。


そ、それはもう幸せだけども……

『は、はい……』

麻生「うん。
じゃあ送ってく。」

送ってくれるんですか?!?!