『これは私の遺書です。

長く、つまらないものかと思いますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。』


俺の元に届いた差出人不明の手紙は、こんな書き出しで始まった。

なぜ俺の元に届いたのか、誰の遺書なのか、心当たりなんてあるわけないがどうせ考えたって分かるわけないか、と続きを読むことにした。


『私は三年前の夏、丁度向日葵の花びらがふくらみかけた頃、ある人に会いました。』