+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

休日、自分の部屋で仕事に追われていた私は、バフィから手紙を受け取った。

どこぞの企業の社長よりも大きな黒塗りの机に、体をすっぽりと受け止めてくれる椅子に座っている私の前には、高く積み重なった大量の書類。

柳沢グループは国内でも有数の巨大組織。

その一人娘である私ともなれば、休日に書類へ目を通すのは珍しくない。

年間一億稼ぐ女子高生がいるかですって?

はん。私のことよ。

「よその企業からゴマスリみたいなのはわかるけど……手紙なんでしょ? なにかしらね」

柄に繊細な彫刻が施されたペーパーナイフで、手紙の封を切る。

まずは差出人・西園寺美香からの、ピンクの封筒だ。

出てきたのは、マシュマロ姫ともいえるぽやんぽやんした彼女らしい、デフォルメされた猫柄のかわいい便箋だった。

『やっほーう、るなぴー、元気ですかー?

私はすごーく元気です。

るなぴーもお体にはぁ、気をつけてくださいね~』

と、内容はこれだけ。

「メールですむじゃないのよ!?」

思わず怒鳴った私に、バフィが小首をかしげた。