+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

私が、バフィが、彼へ注目する。

腰のチェーンを、耳のピアスを軽薄な音で連れながら、松井が弥生のもとへ行く。

バフィを、ぐいと押しのけた。

「もう終わりだ。俺ン弥生の負けだな」

「まだ勝敗はついていませんが?」

バフィがぞくりとするようなことを言う。

吸血鬼と人狼は、互いの命が尽きるまで戦う。

それが二つの種族の宿命だと、私は知っていた。

だけど、

「それは私が許さないわ」

バフィに弥生を殺させるわけには、いかなかった。

まだくらくらする頭を軽く振る。

服の破れを手で掴み、私のプライドにかけ、屹然と彼のもとへ向かう。

地べたには、思ったよりも深々と、弥生が沈んでいた。

「勝敗の審査は松井が行う。彼が言ったなら、勝負はここまで。バフィの勝ちよ」

「……」

「これは私が認めているルールなの。バフィ、なにか異論でも?」

アナタは私に服従する下僕よ。

その意思を、目で叩き込んであげる。

ス、とバフィが腰を折った。

「お嬢様が申されるならば」

「よし」

それから彼は、その上着を私に羽織らせた。

さすが私の認めた執事だわ。

乙女心もわかってる。