+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

闘争本能ゆえか、即座に弥生が立ち上がる。

けれど、足が震えてるわ。

バフィの一撃一撃は速くて、芯を揺さぶるほど重いという、証明。

砂煙の中からバフィが飛び出してくる。

同時に、弥生も野獣のような突進に入った。

「おおおぉぉぉぉ!!」

猛々しい咆哮をあげて、弥生が拳を振り上げる。

大地を抉ってしまう一撃を、

「そんな大振りはもう――」

バフィは、

「当たりません!!」

「!?」

軽く手を添え、力をずらし、いとも見事に利用して、投げに持ち込んでいた。

達人の柔道でも見られるかわからない華麗な一本で、弥生のスカートが宙をなびく。

轟音と、砂ぼこり。そして弥生の悲鳴。

彼女は、地面に人型のスタンプを押すはめになった。

バフィの革靴が、まっすぐ持ち上がる。

それを薙ぎ下ろし、トドメを刺す直前、

「やめろっ!!」

今まで、戦っている間は声ひとつあげなかった松井が、叫んだ。