+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

「参りますっ!!」

獣の爪を携えた弥生が、突進してくる。

速いなんてもんじゃない!!

ほとんど一歩、ほとんど一瞬で、バフィは距離を詰められていた。

爪煌めく剛腕が、頭の上から振り下ろされる。

銀の閃光が狂気を見せつけ、硬い炸裂音とともに庭が深くえぐられる。

弥生が、私を抱きかかえて跳躍したバフィを睨み据える。

大和撫子に光る瞳は今、怪しい月を飲み込んだように青々としていた。

あれが、狩猟民俗の目ってわけね……。

「お嬢様はここに!!」

私を下ろしたバフィが、一気に駆け出す。

弥生も同時。

振り被られた二人の拳が、ガツン、とダンプカーの衝突したような激音を弾かせた。

「くっ」

バフィが、打ち負ける。

ややぐらついた彼へ、それだけで人間の頭ほどもある握り拳が、炸裂した。

直前、体の前で腕をクロスさせたバフィが、ぶち飛ばされる。