+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

驚くバフィが、さらに次の瞬間、下から迫った弥生の蹴りで、弾き飛ばされる。

空に、彼の細い体が舞った。

「バフィ!!」

ほとんど悲鳴に近いものをあげた私の視界に、下からなにかが入り込む。

弥生が、空高くバフィを打ち上げただけではなく、高速の追撃を仕掛けていた。

両手が、組まれる。

振り下ろされた拳のハンマーが、太陽の眩しい空から直下、バフィを叩き落とした。

轟音と土ぼこり。

バフィが、庭に沈む。

「っ、バフィ!?」

信じられない……!

バフィ以上の運動能力を持つなんて……。

館よりも高く跳躍していながら、弥生の着地は恐ろしいほど静か。

膝を使い、極限まで衝撃を緩和した彼女の動きは、まるで闘争本能を研ぎ澄まされた野獣のようだった。

「つつ」

と、もうもう煙の上がる地面から、バフィが起き上がる。

「今のは少々、こたえましたね。300年来味わっていなかった痛みです」