+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

褐色の液体に映る自分を見つめながら、問う。

「いったい、なにが目的なの?」

「あん? そんなん、もう予測がついてんだろ? 天下の柳沢グループならよ」

こっちが、勝負が始まるまでのわずかな時間で調査を行っていたことに、気付いているらしい。

どうやら、見た目とは裏腹にとんでもなく厄介な相手かもしれない。

紅茶を、一口。

「バフィの秘密を知っていると言ったわよね。……それは、ハッタリ?」

「さぁてね、素直に答えっと思うか?」

行儀悪く、松井がテーブルに足を乗せた。

両足の間に置いてあるティーカップを掴み、バフィのも弥生のも、ごくりと一息で飲んでしまう。

品のない男ね。

カ、コン。と、室内にある柱時計が、静かに振り子を揺らした。

「ひとつ賭けをしましょうよ」

「あ? 賭けだ?」

「そうよ。アナタが勝利すれば、アナタの会社にハクがつく。だけど私にはなにもないわ」

「……」

「だからひとつ賭けよ。のるか、そるか」

「内容も教えずに、よくも賭けだって言えんな?」

「あら、無礼はお互い様よ?」

無言の、せめぎあい。

そして松井は――

うなずいた。