+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

主人として執事の功績は嬉しいもの。

まずひとつ目の勝利を、紅茶の香りと共に楽しんでいると、

「じゃあ早速、二番勝負だ」

と松井が切り出した。

「執事、メイドたるもん、主の身の回りくらい美しくできにゃ話にならん。つーわけで、二番勝負は掃除! この館の東と西に分かれ、どちらが先に、より綺麗に掃除できるか勝負だ!」

思わず、吹き出した。

「松井……」

慌てて口元をクロスで拭い、抗議する。

「アナタね、この館は広いわよ? アナタのとこのメイドが、それを一朝一夕で終われると思うの?」

「は? なに言ってンだ、柳沢? ったりめーだろ?」

ずいぶん、余裕のある返事ね。

おもしろい。

私は指を鳴らした。

「バフィ、命令よ。私が紅茶を飲み終わるまでに、館の東半分を綺麗になさい」

「かしこまりました」

松井がヘラヘラと笑う。

「弥生、お前も負けんなよ?」

「仰せのままに」

そして二人とも、うやうやしいお辞儀をひとつ。

食堂を出ていった。

松井と、二人きりになる。