+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

私と松井の前に、二つずつ並べられたティーカップ。

見た目は同じ色ね。

だけど、味や香りは、まったく違う。

「……この勝負は、バフィの勝ちだな」

と、まだ飲んでもいない松井が早くもぼやいた。

「あら。飲まなくていいの? まさか、よもや、ということもあるわよ?」

朝から晩まで紅茶を愛してる私には、飲まなくったってわかるけどね。

そんな嫌味を込めてやったのだけど……

「バカ言え。こんだけの紅茶だ、飲まなくてもわからぁ。弥生、お前もっと精進すんだな」

「申し訳こざいません」

内心、ほぅ、と私はうなずいていた。

飲まずに紅茶の判定をつけるには、それなりの素養も必要なのよ。

それを私と同等にやってのけている。

思ったより、そして見た目のチャラチャラしたバカさより、松井はできる男かもしれない。