+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

私とバフィは……同時に立ち止まった。

バフィの秘密……それは、当然ながら主である私しか知らない。

それを、なぜ彼が……?

柳沢家の財力、圧力、そしてバフィ自身の能力によって、それはどんなルートからでさえ、バレるわけがないのに。

「さあ、俺の弥生と勝負しろや、バフィさんよ?」

ハッタリか……それとも、本当にバフィの秘密を掴んでいるのか。

耳元に、バフィが囁いてくる。

「いかがなさいますか、お嬢様」

「アイツがアナタの正体に気付いているか……それがわからないわ。ハッタリかもしれないし」

「では断りますか?」

「そう、ね……バフィ、アナタはどう思う?」

「わたくしは……」

彼は数瞬黙考し、やがて答えた。

「彼よりも、後ろに控える給仕のほうが気にかかります。彼女はなにやら、ただ者ではないようで」

「……」

「おらどうした、こそこそ話は終わりか? ン?」

松井に急かされ、私は決断した。

「いいでしょう。その勝負、受けて立つわ」

松井は、そしてまたいやしく笑った。