+ヴァンパイア執事vs狼メイド+

部屋を出て、螺旋階段を降りた私は、その途中で来客を目の当たりにするはめになった。

玄関ホールの中央、階段を降りる私を真っ向から睨みあげてくる、金髪の男。

「よう。お前が柳沢月」

礼儀のない挨拶とともに、右手が振られた。

チャラい男は嫌いなのだけど……

ただ者じゃないだろう。

そうでなければ柳沢家の敷地へ入ることもできないし、なにより後ろにメイドを付き従えるなんて、できないはず。

「アナタが松井伸一?」

階段を下り終わり、男と同じ高さに立つ。

金髪だけじゃなく、膝の破れたジーンズにブカブカのパーカー、どこの民族文化かと思うほどのピアスが目を引いた。

「ああ、俺が松井伸一だ。んでお前は、柳沢月だな?」

「ええ。私よ」

答えたとたん、松井は笑った。

「おっけ~、上等上等。噂通りの美少女ときたぁ」

「……」

チラリと、横のバフィに目配せする。

なんなのコイツ。アナタわかる?

と目で訊いたが、バフィは首を横に振った。