…大きな宿題を残して行ってしまったルイ。

私は、頭がパンクしそうで、なかなか寝付けず、結局、ほとんど眠れないまま、朝を迎えた。

そして、その日、仕事に行くなり、シェフにルイから聞いたことを尋ねた。

が、話が長くなりそうだから、仕事が終わってから話すことになった。

相変わらず、悶々としたまま、仕事をする羽目に。

いつもは楽しいデザート作り。それなのに、ちっとも楽しくない。

そのせいか。

「…美々」
「…はい」

「…仕事に見が入らないなら、今日は帰れ」
「…え」

シェフの言葉にハッとした。

…一人前に、このレストランのパティシエとして働いてると言うのに、こんな気持ちでいい訳がなかった。

「…すみません!頑張ります。お客様のために、最高のデザートを」

私の言葉に、険しくなったシェフの顔が和らいだ。

そして、私の肩を、ポンとたたくと、仕事に戻っていった。

「…よし、頑張ろう」

私の言葉に、周りのスタッフもガッツポーズしてくれて、益々やる気になった。