愛色SHERBET

かわいいやつめ、と心の中で呟き、ソラちゃんのそれに応えるように今度は両手を振った。

すると、ソラちゃんの顔にはぱあぁぁっと花が咲いて、さらに耳と尻尾まで飛び出す……というのは若干(?)フィルタがかかっているが。

とにかく、人懐っこい笑顔で大袈裟に手を振る姿はとんでもなく愛らしく見えた。



「犬」
ぼそっと呟いた美音だったが、考えが一致していた私はこの歓声の中でも難無く声を拾えてしまった。


「ゴールデンレトリバー?」
目を細めてソラちゃんをじっと見つめていた美音が、「まさにそれ」と言ってにやりと笑う。美音ビジョンでも耳や尻尾が見えたのかもしれない。



「あの顔は愛華の前だけやと思うわ」
「またそういうこと言う」
「いやホントやし」


体育館中央では、私とソラちゃんのやりとりを見ていたらしい他のバスケ部員達が、ソラちゃんを冷やかすように肩を小突いてみたり何か声を掛けたりしていた。それに応じるソラちゃんは終始笑顔だった。