愛色SHERBET

「わざわざ付き合ってもらってごめんね?」
周りの音に自分の声が掻き消されないよう、私はなるべく声を張った。


すると、え?と隣で首を傾げる美音。続けて、ごめん、と手を合わせて顔で訴えかけてくる。

どうやら、声を上手く拾えなかったらしい。



今はちょうど放課後で、私達は体育館のギャラリーでバスケ部の見学中だ。

ギャラリー(見学者)による歓声だったり、部員達のシューズが床に擦れる音だったり、バウンドするバスケットボールの音だったり。

様々な音が混ざり合い、想像以上に体育館の中をこだましていた。


もう一度、今度は更に大きく先ほどの言葉を繰り返すと、美音はあぁそんなこと?とでも言うような涼しい顔で首を横に振った。

「いいよ、今日は暇やし」