9月になっても続く暑さ。


地面を照りつける太陽は昨日も容赦ない。



そんな中、私は今学期はじめての学校へ向かった。


退院して3日が経って、やっと外出許可がおりた。



好きな時間に好きなところへ行ける。


当たり前な自由がやっと戻ってきた。




「桃?」




信号待ちをしていると、横から声をかけられた。


心の中で暑さに愚痴っていた私は、何も言わずに横を向く。




「芽衣!」


「桃だ!」




そこにいたのは、同じ制服を着た芽衣だった。


短いスカートから見える細くて長い足と、綺麗な顔。


前に会った時となんにも変わらない芽衣に、少し心がホッとした。




「龍也!桃だよ!」




芽衣は歩いて来た方を振り返って、そう言った。


遠くにいるその存在に、私は目を集中させるとそれは龍也だった。


制服を着て、バイクに乗っている龍也。