奏多とだったら、どんなところにいても楽しいからいいの。




「でね、みんながいいなーって。羨ましいって言ってくれたよ。」


「やったな。」




座って喋っているだけなのに、楽しいと思えるなんて、素敵なことだ。




「奏多!」




ベンチに座って話していると、遠くから聞こえた男の子の声。


振り向くと、半年前くらいに見たシュン君がいた。




「桃!」


「シュン君?」


「うん!」




相変わらずニコッと笑う顔が可愛いシュン君は、サッカーボールを持ってやって来た。




「シュンのお兄ちゃん?」


「お姉ちゃん?」




あとから友達らしき子たちも来て、私たちは小学生に囲まれた。




「違うよ!奏多と桃は恋人なんだ!」


「おいシュン。それ言っちゃダメっつったろ。」


「あ!」