「あ、おばあちゃん。」


「ん?」


「お風呂先入っていいよ。」




ご飯の支度をし終わって、お風呂を沸かしに行った私は、おばあちゃんにそう言った。


ソファに投げたスクールバッグから今日買ったばかりの染め粉を取り出す。




「また染めるんかい?」


「うん。もう真っ黒だし。」




私がガサガサしているのを見て、聞いてきたおばあちゃん。


そのあと私に「お風呂ありがとう」とお礼を言って、お風呂場へ歩いて行った。


染め粉の中身を取り出して、ラップやビニール手袋を用意した私は、おばあちゃんがお風呂から出てくるのを待つ。


奏多くんにも、茶髪見せたかったな…。


結局、私の頭には毎日彼が思い浮かぶ。


好きって、大変なことだ。