芽衣は強い。
龍也のことも考えて、わがまま言ったりしないもん。
私だって奏多には言ったことないけど、こうして芽衣にはめちゃくちゃ言いまくってる。
だけど芽衣は、そんなの言わない。
芽衣は強い。
強いよ。
「桃ってさ、奏多のどこが好きなの?」
ショッピングモールの前にある段差にちょこんと座ってお迎えを待っていると、急に芽衣がそんなことを言った。
「んー、好きなところかあ」
奏多の好きなところ。
言い出したらきりがないけど、1つに絞るならこれしかない。
「自分を、しっかり持っているところかな」
自分をしっかり持っているところ。
意見を、意思を、強く持っているところ。
「そっか」
「芽衣は?」
「んー、私はねー」
「なになにっ」
「んー」と少し笑って考えている芽衣。
そんなに考えるほど龍也のこと大好きなんだね。

