「これに決めた」と言葉にするまで、時間はかからなかった。
「お買い上げありがとうございます。明日のお着付け、お待ちしております。」
「よろしくお願いします。」
自分の分を選び終わった後は、優柔不断な芽衣に付き合った。
紺色か深緑で悩んでいた芽衣。
何回も試着していたけど、どれもこれも似合いすぎていたから、口出しをしなかった。
結局紺色の浴衣を選んでいたけど、それはきっと龍也の好みに合わせたんだろうな。
ちらっと隣を見ると、浴衣の入った紙袋を芽衣は大事そうに抱えていた。
「やば!外真っ暗じゃん。」
「本当だ。」
時間を忘れて楽しんでいた私たち。
ショッピングモールの窓から見える外は真っ暗で、時計は夜の9時前を指していた。
「龍也に連絡しなきゃ。」
「あ、私も。」
「奏多に言っとこっか?」
「うん。」
「それ待ちだったでしょ。」
「バレた?」

