どうして君は笑って俺を許すの?
怒ってもいいのに。
怒鳴って「もう太陽なんか知らない!」って走って行ってもいいのに。
追いかける、けど。
「寒かったろ。ごめんな」
「ううん、大丈夫」
「冷たいよ」
綾乃の両方のほっぺを俺の両手で包んだ。
吐く息は白い靄になって、消える。
そのまま額を綾乃のでこにくっつけた。
「抱きしめたい……」
「いいよ」
小さな身体を抱きしめる。
「キスは?」
「んー、しょうがないな……」
距離をとって、見つめあって、キスをする。
彼女のくちびるはとても冷たかった。
「あったかいところ行こうか」
「あ、ちょっと待って!」
手を引こうとした俺の手を、綾乃がぐいっと引き止めた。
そしてかばんから丁寧に包装されたなにかを取り出した。もしかしたら、俺へのプレゼントかもしれない。
俺もあわててかばんからプレゼントを取り出した。
「寒いでしょ?いつもマフラーも手袋もしないから、太陽」
中身を出し、俺の首にマフラーを巻いてくれた綾乃。
「はい」と手袋まで差し出された。



