「さて、じゃあこのプリントたち終わらせたらみんな帰っていいぞ〜!」
……はっ!?なっ、今先生なんて言った!?
ぼうっとしていて、危うく聞き逃しそうになった。
だけどやる気のなかった俺の手元にあるプリントたちは白紙に近い。
嘘だろ、おいおいおい!
そんなの最初から言えよ!!
急いでかじりつくようにプリントに文字を書いていく。
早く終わらせねぇーと。
時計の針は12時をさしている。
あと1時間しかねえ。
急げ!!
「……わったぁあ!!」
シャーペンを机に叩きつけて置く。
ふと周りを見ると、誰ひとりとしていなくなっていた。
目の前にいる先生が呆れたように笑い、「最初からやってればもう少し早く終わったはずなんだけどなぁ」と言い放った。
「じゃあ先生!帰ります!」
「おう、藤田と仲良くな」
「うっす!!」
敬礼して、走り去る。
この先生には夏休み前にもお世話になった。
『先生、追試は勘弁してくださいよ〜!大事なライブがあるんです……!』
生徒のゴシップ好きな趣味の悪い先生に藤田への告白計画を告げてなんとか特別な処置をしてもらった。
おかげで俺がライブで好きな子に告白するって噂は出回ってしまったけど。



