幸せいっぱいの帰り道。
綾乃がとなりにいてくれるだけで、俺は、人の何倍も幸せを感じられるのだと思う。
「ねぇ、ところでさぁ」
「ん?」
「テストの結果どうだったの?」
心臓が跳ね上がる。
楽しかったテンションが、いっきに下がる。
「いや、うん、大丈夫だったよ」
だけど、咄嗟に口をついて出てきたのはそんな嘘だった。
自分でもびっくりした。
それでも一度しゃべってしまった言葉は巻き戻ったりしない。
寒いのに、変な汗が出てくる。
「そっか!じゃあ一緒に過ごせるんだねっ!」
そしてこの綾乃の笑顔だ。こんな可愛い笑顔を見たらもう訂正なんてできっこない。
ひきつる顔を無理やり動かして笑った。
もう無理だ……終わった……。
なにがって言われると困るけど、とりあえず俺、終わったわ。
綾乃にそろそろ愛想つかされてもおかしくない。
しっかりしてないし、不真面目だし、ヘラヘラしてるし、嘘までついた。
最低最悪の男だ、俺は……。



