どんな顔で、なんて言えばいいんだろう。
俺たちが過ごすはずだったはじめてのクリスマスが補習で潰れてしまった事実。


言える気がしない。
俺、口にしたら泣いちゃうかもしんない。


とても楽しみにしていた。


昼間はどこか普段行かないところへ行って、夜はオシャレなお店でごはんを食べて、この前買ったプレゼントをそこで渡してって、計画も練っていたのに。


なんで俺っていつもこうなんだ。
大事なところでかっこつけられない。
綾乃は「そんなとこがいいんだよ」って笑って言うけれど、俺はまったくそうは思わない。


ラブレターの一件だってそうだ。
最終的に綾乃と両想いになれたから良かったものの、手紙の順番は間違えるし、入れたはずの下駄箱にはちゃんとおさまってなかったし。


ほんとつくづく俺ってかっこ悪い。



「大丈夫か?」



放課後の教室。深くため息を吐く俺を気づかって顔をかけてくれたサッカー部の友人、響。


俺のことを「女たらし」とよくからかってきていたし、「先輩の女と浮気すんなって」とも揶揄されていたが、今はなんとなく仲が良い。