俺には最高に可愛い自慢の彼女がいる。
となりのクラスの藤田綾乃だ。
色々なことを乗り越えてカップルになった夏休みから約4ヶ月が経った。
1週間後にはクリスマスを控えている今日、俺は朝からそわそわしていた。
今日返されるテストの結果次第で、1週間後のクリスマスが補習になるかデートできるかが決まるのだ、そわそわしないわけがない。
「ねえ、大丈夫だよ。あんなにふたりで勉強したんだから」
「でも万が一ダメだったら……」
「今日はネガティブだね、ほんと」
朝の電車内にて。うつむいた俺の顔を、彼女である綾乃が覗き込んでくる。
大きな目が心配そうに俺を見ていた。
ああ、こんなに可愛い彼女がいるのに、クリスマスが駄目になったら俺、半年は引きずるわ……。
いや一生引きずるかも……。
だって、俺たちの、はじめてのクリスマス。
「元気だして」
「……じゃあキス」
「それはムリ。ここ電車」
「けち」
ワガママ言って頬を膨らませると、綾乃に頬を潰される。
それがなんだか面白くて笑うと、彼女も同じぐらい笑っていた。