脱力し、またクーラーボックスによ垂れかかった。

ああ、徐々に気持ち悪くなってきた。

そう思ったとき、何かの影が私を覆った気がし、そして、足付近の床に小さな衝撃を感じた。

怠い頭をまた上げると、そこには先輩が。

私のしゃがみこんだ膝の付近には、ペットボトルの水があった。



「とりあえず、水をたくさん飲んどけ。片付けとかの仕事くらい、後輩に任しときゃいいんだよ」

「でも…この水…先輩の分は」

「気にすんな。俺は俺で別のがあるから」

「ありがとうございます…」



あ、なんか、そろそろヤバイ気がする。

偶然、通りかかった後輩の女の子が、私の洗ったクーラーボックスを運んでおく、と言ってくれた。

今回ばかりは、素直に頼ることにする。

私も先程の男子の後輩の子のように、目の前にいる先輩にぼかした断りをいれて、その場を立ち去った。