振られようと、避けられようとも諦めきれなかった。
たぶん、自分から初めて好きになった人。
それが、江崎美古都さん。
職場での上司で歳上の落ち着いた女性。


どう考えても面倒くさいナルシスト発言の数々にも、ズバズバと意見したり出来るハッキリとした性格。
仕事に対する姿勢。
時折、見せる笑顔はとても綺麗で、例えるなら小さくて清楚で可憐な鈴蘭のイメージ。
俺には彼女がそんな風に映っていた。


職場でも隠さずに彼女にアタックすれば


「お前、残念発言やめたと思ったら江崎さんにアピールかよ！？」


とか


「竹を割ったような江崎主任に向かうとは、御堂さんは、かなり好きなんですね。応援してますよ！」


などと、男女問わず驚きやら声援やら送られるようになった。
そこは計算していた訳では無い。
しかし、そういった声にも後押しされて、めげずに気持ちを伝え続けた結果。


やっと彼女から返事がもらえた。


それも彼女らしい言葉で、少し素直ではなかったけれど。


とても嬉しくて舞い上がりそうだ。
いや、舞い上がってるかもしれない。


そして、その告白の返事とともに向けられた初めての彼女の微笑みの破壊力は凄かった。
その笑顔はこの先ずっと俺のモノ。