―――ピンポーン♪―――――





出ない………。




もう1度チャイムを押し




「明日香?俺だよ慎、開けて?」





――ガチャッ♪――バタンッ♪――





「せ!……」





俺は言葉を失った。





だって




服も着替えず学校での服装のまま
髪の毛はボサボサで泣き腫らした目




の先生が玄関に立っていたから。




そして




「来るな……って言ったのに!……い・居なかった!?……だ・誰も居なかった!?」




俺は先生が何を言いたいのかいまいち解らなかったけど




「居なかった。誰も」




本当の事を言った。
すると先生は




「じゃ…今すぐ帰って!」




こんな状態の先生をほっとけるかよ………




「帰らない!」




無理矢理リビングに上がろうとした。
すると俺の服の袖を掴み




「帰って!で、ないと………グスッ……また………グスッ」




先生はそのまま泣き崩れてしまった。




先生と同じ目線になる様に膝を付いた俺は、先生の言いたい事が解ってきていた。