「あんた、よく学校来れるよね。さっさと死ねば?」

「だよねー、裏切り者のくせにさあ。」

「人の彼氏とったあげくに、瀬波虐めるとか、ホント懲りてねーよな。」

朝休みの校舎裏、私はボコボコに殴られた。
体にできたいくつもの痣や傷は、気持ち悪いくらいに紫になり、殴られた頬が赤く腫れてしまった。

今日も屋上行こうかな。

屋上だけは、私の安心して居られるたった1つの場所だ。

屋上は、鍵が掛かってるって言われてたのに、開けてみたら案外普通に開いた。だから、ここを知っているのは、私だけのはずだ。

いつも誰もいないから。








ーーーーーーーーーーーーーー

私の名前は、山本水樹。

予想通り、こうして、毎日いじめられている。
神渚瀬波たちに。

きっかけは単純だった。

私が、瀬波の彼氏に告られた、ということだった。

何度抵抗しても、瀬波の彼氏の祥也君は裏切ったりしない、何て信じきって、私のことには耳を傾けたことがない。

いじめが始まったのは中学3年の頃だったがまさか高校2年になってまでいじめられるとは思わなかった。それも直接的なものばっかりで、私は授業に出れないような姿で解放される。

瀬波は、学年の中でも権力をもっていて、その下の奴がいつでもくっついてる。その人たち中心で私がいじめられているのだ。

ーーーーーーーーーーーーーー

屋上へ入り、向かった先は屋上の1番端っこ。
あと半歩踏み出せば死ねるところまでやって来た。

今日こそは死のう。

あと一歩、進みたい。


そう思ってるのに、足が、出ない。
いつもと同じように一段下がる。

私、誰かに殺してほしい。

毎日思う。ここに来ては自殺を思い留まって、結局死ぬの何て無理なんだ。


今日はなんか疲れた。
私は屋上の壁にもたれ掛かって意識を手放した。