なにせ、幸太郎はここ最近木工細工ばかりしていて、就職活動をしていないのだ。


この作品が売れなければ生活費は稼げない。


しかし、そんな幸太郎の不安は杞憂に終わった。


新人作家がネット登録をするとサイトのトップページ表示される仕組みになっていて、そこからどんどんお客さんが入ってきてくれたのだ。


幸いなことに、幸太郎の作ったストラップを好んでくれるお客さんがすぐに表れた。


1つ500円で販売しているストラップは、1日に数個ずつ売れて行った。


自分の商品に値段がついて、それを納得して購入する人がいる。


それはとても嬉しくて、そしてとても不思議な気分だった。