黄色いレシート

いつ潰れてもおかしくないような古書店では、幸太郎の望む本がない事もしばしばだった。


「そう言えば、求人情報誌っていうのもあったな」


ふと思い出し、そう呟く。


いつもハローワークに通っていたけれど、雑誌なら場所も時間も選ばずに職場を探す事ができる。


もちろん、その後ハローワークへ行く必要がある時もあるけれど、バイトなら電話一本で面接をしてくれる時もあった。


幸太郎は吸い寄せられるように、その大きな書店へと足を進めたのだった。