なんだ、ちゃんと覚えていたのかと、安堵する。


これなら大丈夫かなと思ったけれど、学校の近くには大きな池があるのを思い出した。


和斗たちが週末になると時々バス釣りに訪れる池だ。


1年生たちがもしあの池の近くを通って帰るとしたら、危険なんじゃないかと言う気持ちが芽生えた。


今の和斗だって、大人の人と一緒じゃないとあの池には近づいちゃけないと言われている。


この子たちが池に近づいて、万が一池に落ちたりしたらどうしよう?


そう思うと、また不安になって来た。


信号が青に変わり、1年生たちが手を上げて横断歩道を渡りはじめる。


和斗はその後ろにピッタリとくっついて歩き出した。


突然出て来る車がないか、1年生の邪魔になる障害物がないかと、周囲を気にしながら歩く。