この義父さんの言葉に、ほらみた事かという顔の伊吹。

「な?俺間違ってないだろ?お風呂はまぁ、リラックスしたいって気持ちもあるだろうからお腹が大きくなって大変になるまでは自由にしてくれていいけど、他のことはこのまま続行な」

そう、自信満々に言い切られてしまった。

うぅ、甘やかされ過ぎだと思ってたのに。

「千花ちゃんは今お腹で二人も育てるっていう一大事業をしてるんだよ。人生でそうある事でもないんだから、環境が整ってるならたっぷり甘えて過ごすのが一番だよ」

そう笑いながらも、言含めるような義父さんの言葉に私もさすがにうなずいた。

「話してなかったけどね、双子には安定期って概念は捨てといて。双子ってだけで、単胎児の倍は大変でかかる負担も倍なんだ。だから安定期は無いに等しい。だから無理は禁物。分かったかい?」

義父さん笑顔だけど目が真剣だ。

でもそうか、一般的な安定期は無いと思わないといけないのか……。


「分かりました。それじゃあ、出産まで周りに甘えながら過ごします」

苦笑しつつ言うと、お義父さんは伊吹を見て言った。

「伊吹、千花ちゃんはなかなかに頑固みたいだから。結構強引に休ませなさい」

「そうする、千花は我慢強くて頑張り屋だから。その性格、妊婦の時は少し控えて欲しいね……」

伊吹、褒めてるのに落としてるよ。