ドアを開けに行った伊吹にかけられる声に、なんで私のお迎え?と疑問に思っていると伊吹が笑って言う。

「千花、行っておいで。今日はまだまだこれからだよ」

そう言って迎えに来てくれた、パキッとした感じのパンツスーツの女性に私の背中に手を添えて押し出す。

「では、妻をお願いします」

「え?伊吹?」

「かしこまりました」

そうして私は女性の後に続いて歩いて行くとそこはホテル内のヘアサロンだった。

そして奥の一角には綺麗な白いドレスに白薔薇をあしらったベールが置かれていて、それと同じ花で丸いブーケまである。

これって、もしや……

「ふふ、お気づきになられましたね!今日はお式ですよ。花嫁さんには内緒で皆さん頑張られたんですって!喜んでほしくて。そう伺ってます」

そう言うとその女性は私にメイクを施すと、ヘアもアップにし始める。

そうしてドレスに着替えたら、目の前には憧れてたウェディングドレス姿の自分。

しかも、自分では選びに行かなかったのに。
サイズ感も、好みも合っている。

「新郎様が新婦様のドレスはお選びになったんですよ。ドレスサロンですぐコレってお選びになったとか。確かにとても新婦様にお似合いですから、新郎様はとても見る目がありますね!」

着せてくれたスタッフさんがそう言ってくれた。