「良いのよ、私もちょっといい子になり過ぎてたって自覚したいい機会だったから。そんなに気に病まないで。喘息の発作は苦しいものだし、誰かに甘えたくなるのはわかるもの」

そうニコッと返せば二人は、ホッとしたように息をついた。

「あの、今後親戚付き合いで会うこともあると思います。小川真穂です。伊吹兄さんのお母さんと私のお母さんが姉妹なの」

「私は小川結実です。真穂の父方同士の従姉妹で伊吹兄さんとはハトコです。私のお祖母ちゃんと伊吹兄さんのお祖父さんが兄妹なんだ。私達はちょこちょこ集まるから。これからよろしくお願いします。千花姉さんって呼んでいいですか?」

確か昔に、一族みんな近場に居ると伊吹に聞いたことがあったなと思い返す。

「えぇ、もちろん構わないわ。私も真穂ちゃん、結実ちゃんと呼んでいいかな?」

「はい!」

二人は元気に返事を返して、その被った返事にクスクスと笑い合う姿から仲良しなのが伺える。

「うん、宜しくね」

そうして、持ってきたプリンを三人で仲良く食べてるうちにまたドアをノックする音がした。

「真穂、入るよ?」

そうして現れたのは美結ちゃんに似ているけれども、伊吹にもよく似た男の子だった。