二人の関係がまた進んで数日。

あのあと朝起きたら歩けなくてびっくりする私を、伊吹はごめんと謝りながら一緒にお風呂に入った。

いずれと言ってた一緒にお風呂は予想外に早期に実現した。

恥ずかしいよりも身体に力が入らない事に驚きを隠せないままに洗われて、その後も伊吹の至れり尽くせりに私もごめんねと言いつつもお互い更に進んだ関係に気持ち的には穏やかに朝を迎えた。

そうして数日後の今日は私は夜勤で、伊吹は当直勤務だ。

穏やかに日付が変わって少し経った頃、けたたましく鳴る電話。

それに出た伊吹が顔色変えている。

「真理さん、良いよ。すぐ連れてきて、俺が処置するから」

そう言って電話を切ると、伊吹が素早く指示を出す。

「千花、救急から連絡入った。急患で17歳女性が喘息発作で来るから俺が処置に行く。多分入院になるから空いてる個室準備しといて」

確か救急はさっき救急車が来たばかり、確かに人手が足りない。

「分かりました。準備しておきます」

こうしてきた急患の患者さんが私たち二人を引っ掻き回す存在だと気付くのはこの患者さんの処置が落ち着いてからの事だった。