行く宛があるのか聞いたら、首を横に振られた。

「そっか

…なら僕と一緒に来てくれる?
流石にこんな雨の中に
ほっとく訳にはいかないからさ」

俺はそういい、女の子を抱き上げた。

軽すぎる…確かに背は小さい方だと思うが普通こんな軽いもんか?

女の子は腕の中で暴れ何か言っていたが、それを無視し、待たせてある車まで歩く。

そのうち女の子は諦めたのか大人しくなり首元に顔をうずめてきた。

その行動に可愛いと思ったのはきっと気のせいだ。

車につき、車内に入る。

「空さんそれ誰ですか?」

運転席に座るやつが聞いてきた。

「拾っちゃった。熱あるみたいだからこのまま連れてく。」

「了解です」


俺はそう言うと女の子を席に下ろす、眠っている。

車は静かに動き出した。

熱で魘(うな)されているのか時折、顔を歪め苦しそうにしている。

女の子の頭を膝に乗せ髪を撫でる。