空side

車で倉庫に向かっている途中に、ある女の子に目が止まった。

こんな雨の中、傘もささずフラフラと歩いている。

公園の階段を降りている最中に女の子がしゃがみ込んだ。

大丈夫か?

いつもなら見て見ぬ振りをするが何故か妙に気になった。

「悪い、このまま待ってて」

そう言うと傘をさして女の子の所へ向かった。

「風邪ひくよ?」

声をかけるが返事がない。
心配になり続けて声をかける。

「大丈夫?何かあった?」

「大丈夫です」

その一言だけ返ってきた。

とりあえず意識はあるみたいだな。

俺は女の子に色々話しかける。
鬱陶しくなったのか女の子が立ち上がる。

その時、バランスを崩した女の子の腕を咄嗟に掴んだ。

「ありがとうございます。」

小さい声でお礼を言われた。

「ちょっとごめんね」

俺はそう言うと女の子に手を伸ばした。

殴られると思ったのか目の前には頭を抱え震える。

そりゃ、驚くよな

心の中で苦笑いし
そのまま、おでこに手を当てた。

すごい熱だ。

「やっぱり、凄い熱あるね。
びっくりしたよね、ごめんね」

俺は女の子に謝る。