「ありがとうございます…」

私はお礼を言い男を見上げた。

ピンクの柔らかい髪にピンクの瞳
身長は180cmはありそう。

自分が想像していたよりもイケメンで少し見惚れてしまっていた。

「ちょっとごめんね」

男は少し困った顔をして、私に手を伸ばしてきた。

殴られる!!
そう思うと同時に目を閉じ頭を守る。
体が震え、立っているのがやっとなくらいだ。

その瞬間おでこに冷たい物が当てられた。

「やっぱり、凄い熱あるね。
びっくりしたよね、ごめんね」

おでこに当たっていたのは男の手だった。

「ねぇ、行く宛てあったりする?」

男がそんな事を聞いてきた。

そりゃ、土砂降りの中で傘もささずこんなとこに居たら聞かれるよね…

私は嘘をついてもバレるだけと思い首を横に振った。