記憶を失くした少女【完】




「私がドアを開けるからそのうちに行って!」


「……………………わかった!」


ドアを開けると一度外を伺って、誰もいないことが分かると萌ちゃんは走り出した。


どうか……………………無事に脱出して。


私はこの後に起こるであろう事を想像する。

怖くて身体が震えるけど……………大丈夫。


私が犠牲になるだけでいい。


これは萌えちゃからRYUSEIを奪った代償だと思えば痛くなんかない………………。



____ガチャガチャ。


「あれ?鍵が開いてる……………まさか!!!」

___ガチャ。


「1人いねぇぞ!!!」


「くそぉ…………もう1人はどこ行った!!?」


「……………………………」


「答えねぇとか生意気な!!!」


____バシッ!!!


思いっきり頬を殴られる。


ジンジンして痛む……………。


「くそ…………これでも口を割らねぇか。取りあえずお前らは後を追え!俺は……………………」


男は私のシャツに手を触れる。


そして、力いっぱい引きちぎる。


ボタンがあちこちに飛び、私の下着が丸出しになった。


「身体で分からすしかねぇな………」


「や………やめて!!!」


男の手が肌に触れる。


「あ……………やめ………て」


気持ち悪くて吐き気がする。


「ほら、もっと鳴けよ!!!」


「お願い…………やめて」


怖くて涙が流れる。


こうゆうとき、何でか遥輝の事を思い出しちゃうなぁ…………。


守ってやるって言ってくれたっけ?


……………………助けて。