そう軍服の男が怒鳴るとすぐ、木製のドア越しにバタバタと慌ただしい音が聞こえ始める。 と、少女らしい、高くて繊細な感じのする声が続いた。 「少々お待ちください」 それから20秒ほどがちゃがちゃ音がなったかと思うと、悲鳴のような音を上げながらドアが開いた。 「お待たせしてしまい申し訳ありません」 兵士や、軍服の男に比べると───いや、比べずとも明らかに小柄な少女が、そこに立っていた。